モノづくり進化論。その先は想像力が必要です。

CFRP、CFRTPとも日本では大量生産の実績は少なく、欧米特にドイツにおける自動車用途のものづくりの様がYouTubeで公開されていたので、ついつい気になってしまうところですね。でも、日本の特に自動車向けトライはBMWのそれとは、ちがう動きになっていると見受けます。

なんで?

それは、モノづくりの土壌が違うからです。プリフォーム+RTM成型を「これだ!」って思っている人(会社)は少ないようで、逆にBMW-i シリーズの失速(減速?)のニュースに飛びついて「そら、見たことか。カーボンなんてダメでしょ」と声を大きくしている人もいるようです。

 

先日、こちらのブログでも書きましたが、これまで量産実績のあるCFRPの用途としてはスポーツ用品があります。日本でも開発されていた時代もありますが、30年以上前から、スポーツ用品の世界的なブランドは台湾にその製造委託をしてしまい、その後、中国の改革開放路線で、台湾人が大陸で指導して量産品は、台湾~中国南部にてCFRP成型が盛んになっていきました。当初は日本や欧米のスポーツブランドの技術指導を受けていましたが、次第にローカルでの技術開発競争になり、高いレベルのモノ作りが行われるようになりました。この先も進化していくことは間違いないでしょう。

 

台湾での量産コンポジットの進化は、

フィッシングロッド(棒・パイプ)→テニスラケット(プレス成型)→テニスラケット(内圧/中空成形)→自転車フロントフォーク→自転車フレーム→自転車ホイール→オートバイホイール…というような流れです。

↑が、どう進化してきたかを成型技術と材料技術を考慮しながら、この後、どのように進化させれば、どのような形のどんなものになるでしょう?

JCM日本複合材マーケットを運営する(株)マジックボックスJPは、コンポジット・デザイン事務所です。確かな情報力と想像力で、次世代の量産コンポジットを提案しています。

詳しい話を聞きたい方は、いつでもご連絡ください。

www.magicbox.jp

 

 

 

 

 

CFRP量産に適した成形技術 2

日本でカーボンコンポジットを量産するときに有力視されているのは、熱プレス成型であることは、異論のないところでしょう。PCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)、C-SMC(カーボン・シート・モールディング・コンパウンド)、(LFT‐D(ロングファイバー・サーモプラスティック・ダイレクト成型)でも、どれも熱プレス成型です。熱可塑を使ったスタンプ成形、ダイヤフラム成型も基本的には熱プレス成型です。

でも、海外で量産実績のある成型方法は、もうひとひねり。CFRPの特長を生かした成形方法です。それは内圧成型。CFRPを中空状態で成型するものです。

インナープレッシャー(そのままやん)とか工場によってはそれをブロー成型と言ったりもしますが、PETボトルなどの熱可塑性樹脂のブロー成型とは、ちょっと違うので、

成形のプロセスは、別の機会にするとして、どのようなものが量産されたかというとズバリ、スポーツ用品です。

テニスラケットや自転車のフレームは、内圧成型です。引張強度の高いロングファイバーを甲殻類の構造のように構成することで、その軽量・高強度を生かした製品が生み出されてきました。

 

JCM日本複合材マーケットでは、内圧成型で製造したCFRP部品の供給が可能です。

www,fukugouzai.com

 

 

 

 

 

CFRP量産に適した成型技術 1

このサイトをご覧いただいている方は、少なくとも「CFRPの量産技術」に興味がある方だと思います。

では、世界で最も量産されてきたCFRP部品の成型方法は何だと思いますか?

オートクレーブ成型? 熱プレス成型? 引き抜き成型? ほかには?

それは、人類はこれまでにCFRPで何を作ってきたのか?ということの裏返しです。

東レさんは、PAN系カーボンファイバーを事業化する中で、まず目指したのは

「航空機の金属代替素材にならないか」でした。しかしながら、航空機産業は、その安全に対する厳しい条件があり、実績のない材料を認証取得して、参入障壁は相当高いものです。本来使ってもらいたい用途で売り上げがなかなか出ないので、「何か売り上げが出るもの…」として、当時グラスファイバー製品が出回っていたフィッシングロッドをカーボンで製作しました。それと、ゴルフシャフト。CFRPの弾性を生かした、軽量で性能の出るプロダクトになりました。

これらの成形方法は、シートワインディング法(シート状のプリプレグを芯金に巻き付けて硬化させる方法)。ストレート・パイプやテーパーパイプを製造する技術です。

 

 

 

JCM日本複合材マーケットの特徴

JCM日本複合材マーケットは、複合材料に特化した販売サイトです。

サイトをひととおりご覧いただくと判ると思いますが、現在入手できるCFRP、CFRTPの成形材料、成形システム等をご紹介していますので、「これからCFRPを触っていきたい」とお考えの方にも「これはナンだ?」がわかりやすいように説明しているつもりです。

FRP材料の販売サイトは、弊社以外にも運営されていますが、多くの場合はFRP成形工場向けのサイトです。

JCM日本複合材マーケットの特徴は、家電・自動車業界の材料開発、生産システムの提案をおこなっているコンポジット・デザイン事務所が運営しているという点です。

コンポジットデザイン事務所マジックボックスJPは特定の材料メーカー系列に属さず、独自のルートを構築しています。

最新の軽量化ものづくり技術をキャッチアップするのはもちろんですが、当社から研究、提案し協力工場でモノにした材料がいくつもあります。

お客様との守秘契約等もあり、サイト上に提示できる情報は限られていますが、背景にあるものは「量産コンポジットの推進」にあります。

特殊カーボン織物

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JCM日本複合材マーケットは、平織、綾織のカーボン織物をリーズナブルな価格で提供しているだけでなく、ガラス繊維、アラミド繊維その他の工業繊維と混織した特殊カーボン織物もお取扱いしています。 また、カーボン織物にアルミ、カッパー、クローム等の金属コーティングを施し、電波特性の制御などの特殊な用途に向けた織物もご手配可能です。 詳細については、お気軽にお問合せ下さい。

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外観用途の特殊織物
カーボンコンポジットの大きな特長に、軽量・高強度がありますが、UDに見える炭素繊維の緻密なヘアライン柄や、平織、綾織の繊細な織物のパターンは微細な繊維の光学的反射もあり、豊かな表情を示します。 そのような外観的な「美しさ」と軽量・高強度を両立するカーボンコンポジットは、外観構造材として採用され始めています。アルミ合金、マグネシウム等の軽金属成形品は材料のキロ単価では安価に感じますが、その成形品の生地に表面処理を施し、多層で外観加飾したものに比べると、実際にはトータルの部品コスト的にはカーボンコンポジットとの差が出ないためです。 JCM日本複合材マーケットは、これまでに海外メーカーが量産採用してきた特殊織物をご案内しています。また、オリジナル織物の試作から量産に至るまで、リーズナブルな価格で提供いたします。

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http://www.fukugouzai.com/carbon-fabric/special_carbon.html

 

構造用カーボン(炭素繊維)UD 単一方向性

金属素材や樹脂素材とは異なるカーボンコンポジットの特長のひとつに「強度/弾性の方向性を設計できる」という点があります。炭素繊維を0度方向に引きそろえ、90度方向には、少量のガラス繊維やナイロン糸でステッチされたUD(Uni-Direction =単一方向性)織物は、カーボンコンポジットの特長(不等方性)を生かした設計には欠かすことのできないものです。
RTM成形やウエット・レイアップ成形にはこちらのUDドライファブリックをお選びください。
オリジナルの樹脂素材と組み合わせプリプレグを製造し、建築構造物の耐震補強や劣化した橋梁のラッピング補強等にも使われています。
JCM日本複合材マーケットでは、炭素繊維メーカー系列とは異なる独自のルートで、幅広い用途に合わせた構造用UDカーボン織物を多数ご用意しています。
詳細についてはお問い合わせください。

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http://www.fukugouzai.com/ud-carbon/index.html

 

シルバーカーボン ドライファブリック

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シルバー・カーボンというのは通称で、グラスファイバー織物に、アルミを蒸着加工した織物です。ヤーンの太さ、織物のパターンがカーボンでポピュラーな「3K綾織」「3K平織」タイプが人気です。JCM日本複合材マーケットでは、「3Kタイプ」だけでなく「1Kタイプ」の目付の細かい商品もご手配が可能です。
時々「シルバー・カーボンは、固くて貼りにくいが、柔らかいモノはないか」というお問い合わせをいただきます。「アルミをコーティングしているのでゴワゴワと固い」と思われているようです。
JCM日本複合材マーケットではFRPハンドレイアップ工場向けに、とても柔軟な仕上がりのシルバー・カーボンをお届けしています。また、ボンネットやボディーパネル等の広い面積で貼り込まれるご用途の場合には、少し硬い目。エポキシ・プリプレグを製造するときに織物強度が必要な場合、平板を製造し織物の目付が動くことを嫌われる場合には固いサイジング材で固めたモノなど、同じ見た目の織物でも硬さを違えてご用意することが可能です。
詳細についてはお問い合わせください。

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http://fukugouzai.com/silver-carbon/index.html