どうなる? JEC WORLD 2020

2月23日現在でも、新型コロナウイルスの拡散は続いていて、国内だけでなく、世界各地の展示会やイベントが中止されていますが、JEC WORLD2020は主催者が開催を宣言しています。私どものクライアント様も先週の会議で「JEC WORLDへの出張は承認されました」とのことですし、こんなことになるとは想定せず、早い時期からキャンセルのできない飛行機チケットと、キャンセルできないホテルをとってしまっているので、「こういう時は、家でジッとしときます。」という選択肢が私にはありません(笑)

とはいえ私どもの取引先様では「会社の方針で、海外出張は取りやめになりました」と仰る方が、何人か聞いていて、どんな展示会になるのか、いろんな意味で楽しみです。

 

さて、そんなJEC WORLD 20202に「行くつもりだったけど、行けなくなった」方や、もととも行く予定はなかったけど、世界最大の最新のコンポジットショーはどんな様子だったか知りたかったなぁ。という向きにお知らせがあります。

SAMPE JAPAN コンポジット委員会第70回研究会

が下記の内容で行われます。

JEC WORLDから3週間後のホットなタイミングで、JEC WORLDの報告会が行なわれます。

JECイノベーション・アウォード審査員の金沢工業大学ICC所長の鵜澤先生、熱可塑複合材料の第一人者の福井大学の山根先生、量産コンポジットを実現させるデジタルマニュファクチャリングを推進しているKADOの倉谷社長が、それぞれの切り口で、今年のJEC WORLDのトレンドを語ってくださいます。

後半のパネルディスカッションでは、私も含めたSAMPE JAPANコンポジット委員が、聴講者も含めて、ワイワイガヤガヤと最新のコンポジットものづくりについて話し合いたいと思います。

 

日時:2020年3月27日(金)13時00分~19時00分
場所:同志社大学今出川校地(室町キャンパス)寒梅館 ハーディーホール
  〒602-0023 京都市上京区烏丸上立売下ル
申込み:準備の都合上、3月16日(月)までに、お申し込みください。
申込み先:SAMPE Japan コンポジット委員会事務局
(FAX:0773-62-8939 E-Mail:sinohara@maizuru-ct.ac.jp)
参加費:会員 \8,000、非会員 \12,000
お支払方法:研究会当日、受付にて現金でお支払いお願いします。

【プログラム】
1.「産業用ドローンと空飛ぶ車の技術動向、複合材料に期待する技術」
 (株)プロドローン 菅木 紀代一
2.「JEC world (Paris) 2020の報告1」
 金沢工業大学 鵜澤 潔
3.「JEC world (Paris) 2020の報告2」
 福井大学 山根 正睦
4.「JEC world (Paris) 2020の報告3」
  (株)KADO 倉谷 泰成
5.パネルディスカッション「JEC World 2020から見る最新の技術トレンドと日本はこれからどうするべきか」
6.情報・名刺交換会 寒梅館 1階 Hamac de Paralid(アマーク・ド・パラディ)

 詳細については、下記のSAMPE JAPAN HPをご覧下さい。

https://www.sampejapan.gr.jp/japanese_site.html

 

2020 JCMの市場予測

2020年になりました。

本当は、昨年のうちにJCM日本複合材マーケットのホームページの改修を行いたかったのですが、昨年の後半は多忙を極めたため、構想を温めていたプロジェクトは、ぜんぜんアウトプットすることができませんでした。IPROSの担当者さんからも、アドバイスをいただいていたにも関わらず、IPROS向けの資料も形にできずお叱りをいただいています。昨年IPROSにアップロードした「CFRP/CFRTPの成形技術」というファイルは、大変好評で、多くの方からダウンロードいただいています。

 本当はそれを超えるようなCFRPの量産技術に関する情報、資料は手元にありますので、今年は次々に紹介していきたいと思います。

 さて、今回のタイトルは「2020市場予測」です。普通に考えると「楽観できる」と思います。

これまで金属材料しか使ったことがない企業が、一度CFRPを使ってしまったら、あとは「どのようにコストダウンできるか」という話になります。CFRP機械的特性を知ってしまい、顧客の要求項目(軽量化)を目の前に突き付けられたら、エンジニアは「CFRPは無いね」とは言えなくなります。その時点で、試作開発や成形トライアルがあっちこっちで始まるので、CFRP需要は拡大します。すでに開発作業や少量生産を請け負う成形工場は2~3か月待ちの状態です。すぐには試作品すらも作れない状態です。では、何を作っているのでしょう?日本ではまだ、多くの場合が設計の基となる試験片や平板が多く、立体成形の例はまだ少ないとおもいます。その先には何があるのでしょうか?電気自動車向けの成形トライは、日本ではほぼ行われていません。インハウスの試作工場ではいろいろとやっているかもしれませんが、JCMにお問い合わせいただくお客様の動向を見れば、「空を飛ぶモノ」です。

現在の日本で製造販売されている産業用大型ドローンはほとんどの場合がエポキシコンポジットのCFRPが大半を占めますが、大型ドローンは爆発的に需要が拡大しています。大型ドローンと言ってもその姿はイロイロで、必ずしもマルチコプターとは限りません。経産省国土交通省がタッグを組んで推している「空飛ぶクルマ」も実現に向けて動いている案件がいくつかあります。

「まさか?空飛ぶクルマで自由に飛び回る時代が来るとは思わない」という向きは、「キロ単価1000円を切るカーボンファイバー」を自動車向きに、いつまでも探していてください。それよりも先に「空飛ぶモノ」は、自動車と違って「鉄でも良いじゃないか」とは言えず、軽量高強度部材しか選択肢はありません。

5G通信の時代になって、どんなものが商品として期待されているでしょう?

多くの場合、空あるいは空中を見ているものだと思います。JCMはそう考えます。

今年はそのつもりで商品構成を調整していきます。お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

驚きの複合材料

ご存知の方もおられるとは思いますが、JCM日本複合材マーケットは現在は、株式会社日本複合材が運営していますが、以前は株式会社マジックボックスJPという複合材料を専門とする工業デザイン事務所が運営していました。ですので、このブログのライターは、そのデザイン事務所の社長でもあります。

普段は、中間材料メーカーの市場開発や技術コンサルティングなど「この材料を使ってどのようなモノができるか、人間社会にどのようにお役に立てるか」などを提案し、試作し、具体的なプロダクトにしていくか、というようなことを生業としています。

JCM日本複合材マーケットは、材料販売サイトという形をとっていますので、基本的には「世間で売っている材料」「(一般的にはあまりないけど)入手可能な材料」をご紹介していますが、時にその想定を大きく上回る「とんでもないもの」をカーボンファイバーに求めてこられるお客様が居ます。

現在、その開発プロジェクトは進行中なので、こちらのサイトでは具体的なことは触れることができませんが、凄いものができ始めています。

CFRPのことを語るときに「1+1=2以上の性能」などということがありますが、

「1+1=A(数字以外のもの)」になるという話です。

このプロジェクトにお付き合いするようになって、これまでの複合材製品の(広義の)デザインの基準が変わりました。炭素繊維CFRPに関する考え方、設計のあり方にも大きな影響が出てくるものと思います。

CFRPは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をマトリックスにしたもの、ナイロンやポリカをマトリックスにしたCFRTP以外にも、ものすごく広いCFRX(炭素繊維で強化された何らかの物質)があり、それが人間社会を支えているのです。

やっぱり、複合材って、広くて、深くて、面白いですね(笑)

 

 

【複合材料・カーボンフェア2019】

大阪産創館の展示会に出展します。

CFRP材料サンプルをイロイロ展示する予定です。

ご興味のある方は、現地でお会いいたしましょう。

 

2019年10月24日(木) 10:30-17:00 ※要予約・入退場自由です。

 

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www.sansokan.jp

先端材料技術展 SAMPE JAPAN 2019

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国内のコンポジット展示会としては、最大規模の先端材料技術展2019が、9月4日~6日まで開催されます。JCM日本複合材は、三起精工様ブースで、PCM成形実演用の急速硬化エポキシプリプレグをサポートしています。ぜひお立ち寄りください。

カーボン・ファブリック(炭素繊維織物)について

ブログの更新をしないといけないなぁ。と、思いながらも、結構忙しかったり、目の前にある「とても面白いハナシ(案件)」は、守秘義務など、いろいろな制約があってBlogに出すわけにもいかないし…。で、過去にどんな記事を書いているかを見直すと、意外と、基礎的な部分について紹介していないことを発見しました。

 

カーボン・ファブリック(炭素繊維織物)のことです。一般的に「カーボン柄」と認識されているのは「3K平織」と「3K綾織」を指します。最近では「綾織」の方が「カーボン柄」と称される事が多くあります。

さて、その「3K」ですが、Kはキロ=1000を表しています。ですので「3K平織」は

「3000本の束(トウ)の炭素繊維を平織(Plain Weave)したもの」という意味です。

一般的には「3K平織200g/㎡」と表示されるのは、㎡あたり200gになるように織った織物(インチ角あたり、経糸12.5本x緯糸12.5本)が、通常、流通しています。

 

平織と綾織の違いは、「織柄の違い」と思っておられる人も多いと思います。「やっぱり、綾織りの方がカッコ良いね!」とか仰る方もいますが、本来は、用途が違います。

平織は、まさにプレーンは織物で、経糸緯糸が一本ずつ交差している連続です。それにより、縦と横の糸は釣り合っていてフラットな平板等の製作に適しています。

綾織(2/2綾)の場合、1本飛ばしで、織っています。ですので、綾織りの方が、糸が動きやすく、立体成形に適しています。

 

JCM日本複合材マーケットでは、綾織りでも、パウダーコートやサイジング処理をして「動きにくい綾織」をご提供することもできますし、平織でも、㎡あたりの重量を少なくして、「しなやかに沿いやすい平織」をご提案することも可能です。

 

カーボン・ファブリックについては3Kだけでなく、6K、12Kなど、ご用意しております。お気軽にお問合せしてください。

 

 

 

日本最大の技術データベースサイト

このブログをご覧になっておられる方は「CFRPで量産を検討している」「カーボンの材料情報が気になる」という方ではないかと思います。

これまでも弊社は家電メーカーや自動車メーカーの複合材料開発、中間材料メーカーのコンサルティングをしてまいりましたが、いろんな場面で「そろそろ量産の検討かな」という場面が見え隠れしてきました。JCM日本複合材マーケットでも、以前よりも具体的な材料(および成形品)のお問合せが増えてきました。

「生産技術は、ある程度確立したので、次のステージは実際の商品に落とし込んでいくことを想定してコスト重視で材料の話をしたい」という感じでしょうか。

日本国内にある製造設備で、仮に大幅な改造を加えたとしても、国内でCFRP、CFRTPで構造材で量産できる方法は限られます。

その観点で、JCM日本複合材では、量産を考慮したCF中間材料については、その手配が完了しています。量産を検討する上で、コンペティティブなプライスでの提供は当たり前です。気になることがあれば、何なりとお問い合わせください。

さて、昨年のおわりに日本最大の技術データベースサイトIPROS様から「カーボンのものづくりが日本国内でも動き出しています。会員企業様でもCFRP加工、CFRTPを使った成形技術をお持ちの会社はおられますが、CFRPの材料を供給する会社の情報がまだ少ないので」とお声掛けいただき、トライアルを行なってきました。

この1、2か月の間に、IPROS経由でお問合せをいただいて、実際にお取引実績が発生しました。熱心な営業サポートスタッフさんにその話をすると驚いておられました。

資料をいくつか見てもらうと「こういった情報をIPROS会員様は必要としているんです。早くアップロードしてください!」と言っておられました。

まだ、始めたばかりで、コンテンツは充実していませんが、IPROS様のご指導もいただいて、お客様のCFRPモノづくりの材料情報をわかりやすく、ご案内していきたいと考えています。お楽しみに。

 

 

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