コンポジット・スプリング そのメリット

前回のコンポジット・スプリングの話のつづきです。

アウディが採用したスプリングについては現物を見て、開発者にその詳細を聞かないことにはよくわからないことがありますが、弊社が、過去に製作したカーボン・コンポジットスプリングについては、作ってみて、いくつかわかったことがあります。詳細についてイロイロ書くと、開発にご協力いただいた企業様もあるので、何かと問題もありますが、基礎知識としてお伝えできることを書いてみましょう。

コンポジット・スプリングのメリットとして挙げられるのは、まずは重量です。金属(鋼やチタン等)スプリングと比べるともともとの材質の比重が違いますから、同じサイズで作ると明らかに軽量になります。もちろん弾性や剛性を考慮して、同等の性能を出そうとすると、線径は太くなります。その体積が増えても、重量的にメリットあります。

次に、腐りません。コンポジット・スプリングはVfがどうであろうと、基本的に樹脂に被覆されているので腐りませんし、アウディのようにその樹脂を原料着色すれば、塗装仕上げも不要です。

コンポジット(複合材料)は、線膨張係数の異なる材質を組合せているわけですから、金属スプリングのように単一材料ではないので、それを共鳴することはなく、微振動を吸収します。

上記の理由もあって、コンポジット・スプリングは金属よりも疲労が少なく、ロングライフです。自動車用のサスペンションでは鋼のスプリングでも、長期間使用して疲労破壊が起こることはほとんど無いとは思いますが、ヘタってきたり、縮んで、がたつきが出てきます。コンポジット・スプリングは疲労によるヘタリがなく、いつまでもしなやかです。

こういった、コンポジット・スプリング。量産するなら、どんな用途があるでしょうか?

ベッドやスプリング入りマットレスなどいかがですか?ロングライフということを考えれば、建築関係の耐震/免震にも役立ちそうです。

自動車業界以外にも、量産コンポジットは用途がありますよ!試してみませんか?

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JCM日本複合材マーケットでは、ご希望のサイズ、スペックでの試作、試験用の少量生産から対応させていただきます。お問合せ下さい。

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