2020 JCMの市場予測

2020年になりました。

本当は、昨年のうちにJCM日本複合材マーケットのホームページの改修を行いたかったのですが、昨年の後半は多忙を極めたため、構想を温めていたプロジェクトは、ぜんぜんアウトプットすることができませんでした。IPROSの担当者さんからも、アドバイスをいただいていたにも関わらず、IPROS向けの資料も形にできずお叱りをいただいています。昨年IPROSにアップロードした「CFRP/CFRTPの成形技術」というファイルは、大変好評で、多くの方からダウンロードいただいています。

 本当はそれを超えるようなCFRPの量産技術に関する情報、資料は手元にありますので、今年は次々に紹介していきたいと思います。

 さて、今回のタイトルは「2020市場予測」です。普通に考えると「楽観できる」と思います。

これまで金属材料しか使ったことがない企業が、一度CFRPを使ってしまったら、あとは「どのようにコストダウンできるか」という話になります。CFRP機械的特性を知ってしまい、顧客の要求項目(軽量化)を目の前に突き付けられたら、エンジニアは「CFRPは無いね」とは言えなくなります。その時点で、試作開発や成形トライアルがあっちこっちで始まるので、CFRP需要は拡大します。すでに開発作業や少量生産を請け負う成形工場は2~3か月待ちの状態です。すぐには試作品すらも作れない状態です。では、何を作っているのでしょう?日本ではまだ、多くの場合が設計の基となる試験片や平板が多く、立体成形の例はまだ少ないとおもいます。その先には何があるのでしょうか?電気自動車向けの成形トライは、日本ではほぼ行われていません。インハウスの試作工場ではいろいろとやっているかもしれませんが、JCMにお問い合わせいただくお客様の動向を見れば、「空を飛ぶモノ」です。

現在の日本で製造販売されている産業用大型ドローンはほとんどの場合がエポキシコンポジットのCFRPが大半を占めますが、大型ドローンは爆発的に需要が拡大しています。大型ドローンと言ってもその姿はイロイロで、必ずしもマルチコプターとは限りません。経産省国土交通省がタッグを組んで推している「空飛ぶクルマ」も実現に向けて動いている案件がいくつかあります。

「まさか?空飛ぶクルマで自由に飛び回る時代が来るとは思わない」という向きは、「キロ単価1000円を切るカーボンファイバー」を自動車向きに、いつまでも探していてください。それよりも先に「空飛ぶモノ」は、自動車と違って「鉄でも良いじゃないか」とは言えず、軽量高強度部材しか選択肢はありません。

5G通信の時代になって、どんなものが商品として期待されているでしょう?

多くの場合、空あるいは空中を見ているものだと思います。JCMはそう考えます。

今年はそのつもりで商品構成を調整していきます。お楽しみに!