時代の変化

COVID19で、海外への渡航が制限され、約3年の月日がたちました。JCM日本複合材マーケットは5月にJEC WORLD 2022展示会に出展しましたが、ヨーロッパのトレンドを察知するのが精いっぱいで、現地で中国、台湾、韓国の情報を得ることは出来ませんでした。

当時、韓国と日本は同じような状況で、外国人の入国は隔離制限がありました。また、台湾はCOVID19蔓延初期の段階で、早々に鎖国政策がとられ人々はワクチン接種なくても安心、安全と政府の対応の速さを賞賛されていましたが、そのせいで逆にウィズコロナ対策が遅れ、台湾の人々は渡航もできず(JEC WORLDで知人には誰も会いませんでした)、逆に外国からの訪問の受け入れがつい最近まで制限されていました。

そのような中、規制が緩和された9月に韓国、11月に台湾に赴き、旧知の友人たちと情報交換をしてきました。

 

この3年間で、大きく変わったCFRPの需要は、航空機の生産がストップし、そのCFは風力発電ブレードにシフトすることで、CFメーカーは今もフル稼働の状態であること。ロシアのウクライナ侵攻をうけ、より環境保護の意識が高まり、CO2排出量制限が加速していること。それに伴い、CFRPリサイクル、高強度エンジニアリングプラスチックス系のCFRTPの需要は、環境負荷が少ないバイオマス系材料由来へとシフトしているのは間違いないです。かつて炭素繊維メーカーが提示していたLCAシステムでは、川下側が許さず、これまでCFRPを使っていた商品も「リサイクルのアイデアがないなら採用をやめる」という流れが出てきています。実際のところ、日本ではCFRP量産は、トライアル程度しか行われておらず、さあこれからという感じですので、環境対策についても「なるほど、それなら石油由来から植物由来の樹脂にすればいいのね」で済みますが、まともにスポーツ用品、レジャー用品を大量生産している台湾では死活問題となります。

JCM日本複合材マーケットは、台湾で多くのCFRP量産技術を学んできました。今度は、この3年間、日本で蓄えた環境技術、CFRTPサーキュレーションのシステム、コンポジット・デザイニングを彼らにお知らせするのが仕事だなと、自覚しました。