RockTool LIT成形システム

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ロックツール LITモールディング・システムは金属製メス型とシリコン製のオス型の構成です。樹脂はパウダーコートかフィルム成形のプリプレグされた材料を使います。圧力は30 bar/420 psi以上を圧縮空気のみで供給します。サイクルタイムのレンジは105秒から310秒で、ロックツールの電磁誘導急速加熱システムの恩恵を受け、実現しています。

6月11日~12日にアメリカ合衆国ミシガン州ノビで開催されたCompositesWorld's誌の熱可塑性プラスチック・コンポジット・カンファレンスにおいて、ロックツール社のマシュー・ブーランジェ氏が「大量生産用途に向く」新しいロックツール社のシステムとして紹介しました。

ライト・インダクション・ツーリング(LIT)はスチール製のメス型と、シリコン製のオス型で構成されます。(MBJP注:ダイヤフラム成形とも呼ばれる方法ですね)

カーボン、グラスファイバー、天然繊維またはアラミド繊維のユニ・ディレクション(単一方向性)または織物繊維強化材を、ドライ・ファブリック状態でも、プリプレグ状態でも金型に置きます。その時に繊維強化材料がドライ・ファブリックの場合はパウダー状、またはフィルム状の樹脂を加えます。樹脂マトリックスは、熱可塑性でも、熱硬化性でも、どちらでもOKです。

シリコン製のオス型は型を閉じるときにベースのメス型に入り込むように挟み込みます。

空気圧30 bar/420 psi以上を、ロックツール誘電加熱システムにより 280°C/536°F以上になる45秒から90秒間(材料や製品の形態により時間は異なります)供給します。水による急速冷却システムにより型と製品を60秒から120秒かけて冷やします。成形の合計時間は105秒から310秒です。

 

ブーランジェ氏によると、このシステムはプレ・ヒーティング(予備加熱)は必要なく、樹脂リッチな表面であっても、後追い樹脂射出成形を必要とせず、製品の厚みを考慮に入れて、ほど良い温度調節ができる機能を有しているそうです。

ブーランジェ氏は、このカンファレンスで、LITシステムで製造されたカーボン、グラス、天然繊維の強化材にPET樹脂とPP樹脂を含浸をさせて作ったの3つのスーツケースを紹介しました。製品の厚みは1 mm/0.04 inch.です。

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出展:Compoistes World 誌デジタル板

http://www.compositesworld.com/blog/post/roctool-announces-new-high-volume-molding-process

 

JCM日本複合材マーケットでは、RockTool LITシステムで使用する、パウダーコートプリプレグ他、各種熱可塑プリプレグを国内外の材料メーカーから、お届けしています。

http://www.fukugouzai.com/

 

 

 

カーボンは何に使う?

「どうやら自動車メーカーがカーボンに注目しているので、わが社でもカーボンを扱ってみよう」「熱硬化性樹脂は扱いが難しそうだし、熱可塑性ならなんとなく使えるかも」と、カーボン素材に注目されている方は多いのではないでしょうか?

JCM日本複合材マーケット・サイト(www.fukugouzai.com)は、複合材料の販売のサイトですが、材料販売の件数よりも、カーボン素材に関するご質問の方が多いです。CFRP成形工場様に「よりリーズナブルに国際価格で材料をワンクリックで提供します」のはずが、「プリプレグを見たことないから触らせてほしい」という方が結構、来られます。

そういった皆様には、私は必ず質問することがあります。

「御社のコア技術は何ですか?(=どんなものづくりがお得意ですか)」

「今、どんなものを作っておられますか?今後、どういうものを作りたいですか?」

です。

 

そのうえで、最適のコンポジット材料をご紹介するようにしています。

 以下のリンクは、日本を代表する炭素繊維メーカーが紹介されているカーボンの用途です。

 

東レ 様 トレカの活躍

http://www.torayca.com/activity/index.html

テイジン 東邦テナックス 様 製品例

http://www.tohotenax.com/tenax/jp/products/products.php

三菱レイヨン 様 パイロフィルの用途

http://www.mrc.co.jp/pyrofil/application/index.html

 

航空宇宙、釣竿、ゴルフ、テニスなどのスポーツ用品、自動車、船舶、自転車等の乗り物、土木建築、風力発電、高圧容器等がその用途だそうです。その内容は三社ともほぼ同じで、順番まで同じところもあります。繊維メーカー側から考えると、このあたりが炭素繊維をたくさん使ってくれる可能性のあるマーケットなのでしょう。視点は「いかに、たくさんの炭素繊維を使ってくれるか」です。

 

ところで、上記の用途は御社のものづくりに、当てはまりますか?

当てはまる方は、きっとすでによいお取引が繊維メーカー各社とできていると思います。私どもがお手伝いできる余地はあまりないのではないかと思います。

当てはまらない方こそが、「新しい」カーボンを創り出す可能性のある方だと思います。軽くて、強くて、腐らなくて、外観がキレイなものを〇〇〇に使いたい…。そこに次世代のコンポジットの用途があると思います。

 

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新しい時代のクルマづくり

BMW i3コンセプトのスケルトンボディーを見て、まず思ったことは、「作れるようにして作ってあるんだ」ということ。決して、今までに経験していない不確実な製造技術ではなく、BMWが今までに蓄積してきたコンポジットパネル量産技術を用いているということに感心しました。今までにスポーツタイプのMシリーズ用のルーフや、ボンネット、トランクなどを成形してきたRTM成型品を接着剤でボンディングする方法でした。RTM成形したパネルを、あたかも金属製パネルの代替として構成している形です。「ライフモジュール」と名付けらたCFRPのケーシングも、レーシングカーのようなワンピース・モノコックボディーではなく、パネルを組み合わせてそれを形成しています。
BMWCFRPパネルの成形はファブリックをプリフォームして、エポキシ樹脂を打ち込むRTM成形です。Mシリーズのルーフなどに採用され、すでに数万台以上の製造実績があります。http://www.fukugouzai.com/bmw-i3.html

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