カーボンは何に使う?
「どうやら自動車メーカーがカーボンに注目しているので、わが社でもカーボンを扱ってみよう」「熱硬化性樹脂は扱いが難しそうだし、熱可塑性ならなんとなく使えるかも」と、カーボン素材に注目されている方は多いのではないでしょうか?
JCM日本複合材マーケット・サイト(www.fukugouzai.com)は、複合材料の販売のサイトですが、材料販売の件数よりも、カーボン素材に関するご質問の方が多いです。CFRP成形工場様に「よりリーズナブルに国際価格で材料をワンクリックで提供します」のはずが、「プリプレグを見たことないから触らせてほしい」という方が結構、来られます。
そういった皆様には、私は必ず質問することがあります。
「御社のコア技術は何ですか?(=どんなものづくりがお得意ですか)」
「今、どんなものを作っておられますか?今後、どういうものを作りたいですか?」
です。
そのうえで、最適のコンポジット材料をご紹介するようにしています。
以下のリンクは、日本を代表する炭素繊維メーカーが紹介されているカーボンの用途です。
東レ 様 トレカの活躍
http://www.torayca.com/activity/index.html
http://www.tohotenax.com/tenax/jp/products/products.php
三菱レイヨン 様 パイロフィルの用途
http://www.mrc.co.jp/pyrofil/application/index.html
航空宇宙、釣竿、ゴルフ、テニスなどのスポーツ用品、自動車、船舶、自転車等の乗り物、土木建築、風力発電、高圧容器等がその用途だそうです。その内容は三社ともほぼ同じで、順番まで同じところもあります。繊維メーカー側から考えると、このあたりが炭素繊維をたくさん使ってくれる可能性のあるマーケットなのでしょう。視点は「いかに、たくさんの炭素繊維を使ってくれるか」です。
ところで、上記の用途は御社のものづくりに、当てはまりますか?
当てはまる方は、きっとすでによいお取引が繊維メーカー各社とできていると思います。私どもがお手伝いできる余地はあまりないのではないかと思います。
当てはまらない方こそが、「新しい」カーボンを創り出す可能性のある方だと思います。軽くて、強くて、腐らなくて、外観がキレイなものを〇〇〇に使いたい…。そこに次世代のコンポジットの用途があると思います。