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プリプレグって何?

「量産コンポジット」と言っても、

これからカーボン・コンポジットで何かがしたいと思っているお客様には専門用語がたくさんあって、しかも当たり前のように専門用語を並べられても、わけが分からないと仰る方も居られます。
企業の研究開発部門FRP/コンポジット産業、大学の研究所、すでに何年もコンポジット産業に従事されている皆様には、当たり前のことでも、少し専門が違うとその製造のマナー、時には言語まで違ってしまうものです。


フィッシングロッドやゴルフクラブの「高級品の代名詞がカーボン」だと思っていたら、ANAJALが新規に採用されているボーイング787もカーボン製…自転車も何十万円もするものはほとんどが「カーボン」を使っている。 ラップトップパソコンも、スマホまでもカーボンの時代が来ている。もうすぐ自動車にも本格的に採用される動きがあり、ヨーロッパでは自動化して量産し始めているらしい…。
そんな話を見聞きして、 カーボン・コンポジット、カーボンでのモノづくりに興味を持つと、次に出てくるワードが「プリプレグ」です。Pre-Preg(=Pre-Impregnated、前もって含浸された)のことで、カーボンなどの繊維に、前もって樹脂を含浸させた中間素材のことです。繊維基材、樹脂(マトリックス)の組み合わせによって多くの種類があります。逆に言えば、用途に合わせて多くの種類の組み合わせを作り出すことができます。

樹脂(マトリックス)は、大きく分けて熱硬化性と熱可塑性に分かれます。

熱硬化性の代表的なものはエポキシ樹脂で、カーボン・コンポジット=エポキシ/カーボンと同義語のように使われてきました。近年では、エポキシ樹脂の改良が進み、成形時間の大幅短縮、耐薬品性の向上、耐火・防炎仕様など量産ニーズに即した商品も発表されています。

熱可塑性カーボン・コンポジット(CFRTP)は、日本においては現在、最もホットなものづくりとなっており、世界各地で熱可塑コンポジット材料とそれを使った成形技術の開発が行われています。 熱可塑生のコンポジットが日本で今、注目されているのは、樹脂(マトリックス)が、これまでの日本のものづくりで量産してきた熱可塑性プラスチックであるからでしょう。

射出成形で強化繊維(短繊維)入りのペレットを使い製品の機械的強度の向上をはかり、また別部品を入れ込んでのインサート成形や表面加飾のためのフィルムインサート成形などの技術的土台があり、そこに熱可塑プリプレグとの組み合わせでさらなる高度化、進化を進めているというところでしょうか。

 

量産コンポジットの材料、成形技術は欧米で開発され、台湾・中国で実用化されてきました。日本は外国勢に先行を許していました。熱可塑プリプレグは、数年前まで欧米のサプライヤーしかありませんでした。(年代を20世紀まで遡ればありましたが)すなわち、極端にユーザーが少なかったということが分かります。

 

日本のものづくりは精度は高く、品質管理のレベルが高いのが当たり前で、コンポジットにもその外観品質、組み付け精度を要求します。台湾、中国の通常の生産品ではなかなかQCをパスできません。

日本の産業界が本気で量産コンポジットの開発に取り組めば、必ず先行している海外のライバルに追いつき、そして追い越すものと考えます。

従来のコンポジット産業界以外からの参入が続いています。そのニューカマーが、実は日本の量産コンポジットの鍵を握っていると思います。

 

次回は、プリプレグの具体的な例をご紹介していきましょう。

 

(JCM日本複合材マーケット、旧サイト「熱可塑プリプレグ」から加筆・転載)

www.fukugouzai.com