COVID-19パンデミックが始まる前、2019年のパリ開催のJEC WORLDに行った時のこと。ある日本人の方が「ヨーロッパではこんなに材料や設備、工場があるのに、日本は遅れている。日本の環境では、なかなかヨーロッパに追いつくことはできない」と嘆いておられる人がいました。
私はその時に違和感がありました。
「この人は、たぶん追いつくことはないな…」そう思いました。需要のあるところにしか工場はなく、その工場が使える材料でないと材料は売れません。
さて、日本にも軽量構造体の需要はあります。具体的なモノの列挙はしませんが、
例えば「空とぶタクシー」は、2025年の大阪万博までに営業運転を開始するそうです。
(株)SkyDriveの福澤社長は、「現在の機体は数千万円かかりますが、2030年ごろには、機体の価格を200万円代にしたい」と先月テレビのインタビューでお話でした。
高性能なDJIのドローン10機で、人間を吊り上げれないか?と考えれば、それぐらいを目途にしてもなんとかなるような気がします。
では、その部品は誰が作るんだ?現在テスト飛行している空飛ぶタクシーの試作機のほとんどは、レーシングカーの部品を製造してきた工場で、航空機の部品製造の認証を撮った工場で成形されています。しかし量産需要は賄えません。
需要は確実にあります。では、誰がその工場を作るの?どんな成形技術で?材料で?
そろそろ日本流のコンポジットものづくりが動くと思います。