レギュラートウ、ご用立てできます!

JCM日本複合材マーケットでは、特別な事例を除いて、炭素繊維の国内販売は行ってきませんでした。理由は日本国内では、東レ様、帝人様、三菱ケミカル様など炭素繊維メーカー系列の販売ネットワークがあって、量産用途や研究開発用途には、その販売ルートで販売されていますので、そちらから買ってもらう方がお客様にとっても有利で、弊社を経由して買ってもらっても、リスクこそあれ、メリットがほとんどなかったからでした。

リスク?

はい。炭素繊維経済産業省の輸出貿易管理令の元、海外への輸出は厳格に管理されています。これまでも、下手な日本語を話す方から「東レT700、〇〇トン買えないか?」と問い合わせをいただいたり、日本政府の外郭団体の職員を名乗る方から、「東レ炭素繊維を中国に…」という話は、何度もありました。すべてお断りしてきました。

特に、近年ではCOVID19で、人の往来ができない中でも、ナンバーワン炭素繊維メーカーの子会社が経済産業省から、キツくご指導を受け、

www.meti.go.jp

更には、ロシアのウクライナ侵攻以降は、小型のドローンでも対戦車兵器になると知れ渡り、それの機体を構成するCFRPの成形材料になる炭素繊維は、一段とその管理が厳しくなりました。「カーボンファイバーの商売は難しくなるねぇ」と思っていたところ、

旧知の研究機関の責任者の方から「炭素繊維が買えなくなった…」と、ご相談を受けました。これまで少量ずつながら、コンスタントに買っていたメーカー系列の代理店から「上が貿易管理を強化するにあたり、新規や小口の3K糸の販売ができなくなった」と言われ、突如、カーボンファイバーの供給がなくなってしまったそうです。別銘柄の販売店に相談しても3K糸は出してもらえなかったそうです。

「それは、大変ですね」と返事して、すぐに思いついたのは「国内ルートで買えないなら、輸入しないのですか?」でした、先方は「3K糸って、海外でもあるの?」と驚いた様子。私は「台湾のFORMOSA、トルコのDOWアクサは3K糸がありますよ。経済産業省の輸出貿易管理令は、日本から輸出する場合の法律であって、輸入には問題にならないでしょう」さっそくその場で、台湾の織物メーカーの社長に電話して、FORMOSAの営業担当者を紹介してもらいました。台湾にも、もちろん輸出管理の規則があり、日本と同じく輸出管理されますが、台湾⇒日本は、出しやすいのもあって、話はすぐにまとまりました。

日本国内には他にも炭素繊維の供給が止まってしまって、困っておられる研究者や会社があるのではないかと考えました。そこで、このブログです。

「誰にでも売ります」というわけではありませんが、炭素繊維(カーボンファイバー)の入手が難しくなってしまったはご一報ください。国内メーカーと全く同じというわけではありませんが、JCM日本複合材マーケットは、世界的に消費されている同等基準品のカーボンファイバーをご用立てすることが可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JISTES 2023 KYOTO のご案内

弊社、代表取締役の柳原は、本年度よりSAMPE Japan コンポジット委員会の委員長を務めさせていただいております。

本日は、量産を見据えたコンポジットの国際シンポジウムのご案内です。

 

コロナ禍で開催が出来なかった SAMPEコンポジット委員会主催の
JISTES(Japan International SAMPE Technical Seminar)が久し振りに
京都 同志社大で開催されます。

航空機(ボーイングサフランIHI)から自動車(帝人三菱ケミカル)、
材料製造のDBP装置(RUCKS)、リサイクルなど、国内外のホットな11の講演があります。
祇園祭に連動して開催されるJISTES2023 Kyoto に是非ご参加下さい。
Webセミナーに慣れてしまった感がありますが、対面でのネットワーク形成の
絶好の機会と捉えていただければ幸いです。

企業の方は、テーブルトップ展示(セミナー1名無料)、プログラム広告も是非、ご活用下さい。

 

お申し込みは先端材料技術協会SAMPE JAPANのホームページからお申込みいただけます。

詳細はこちら

https://www.sampejapan.gr.jp/data_box/JISTES2023KYOTO.pdf

 

また、
6/23までに参加表明していただければ、Earlybird 扱いにさせていただきます。
申し込み方法がよく分からない方は、弊社のメールに、ご一報下されば対応致します。
請求書発行払いも可能です。

よろしくお願いいたします。

情報発信の難しさ

弊社は代表者の経験と、その経験にともなう人脈の広さから、特に複合材料の市場動向の「今」をとらえたコンサルティングサービスを行なっています。

先日、SAMPE Japan コンポジット委員会研究会でJEC WORLD 2023の報告会を行ないました。SAMPE Japanコンポジット委員会が、ホーム会場として、いつもお世話になっている同志社大学・寒梅館地階のホールで行われましたが、出席者約50名のうち、ほぼ半数の方は4月末のパリの現地に行っていた方々でした。研究会は登壇者が約1時間の持ち時間でそれぞれの観点から見聞したJEC WORLD2023の報告がなされましたが、ないようにほぼカブリは無く、JEC Innovation Award、オートメーション、オートモーティブ&モビリティそして、主催者JECから、今回の展示会の数字的な報告がなされました。

登壇者それぞれの立場から見えるJEC WORLDはこれほど違うのかがわかる、有意義な研究会だったと思います。

 

さて、日本ではサスティナブルな構造材料として、鋼材があり、アルミニウムが絶対のように言われています。テレビCMでもUACJ様は、あたかも自動車、鉄道のみならず、飛行機や次世代の乗り物は「すべてリサイクルできるアルミニウムの時代が来た」と言わんばかりです。

www.uacj.co.jp

ホントに、そうでしょうか?

バブル期に日産自動車が「きっと新しいビッグカーの時代が来る」と言って広告すると、ダイハツは「ホントにそんな時代が来るでしょうか?」言っていましたね。

その後の日本では、軽自動車が登録台数で普通車を追い越しました。

 

CFRPはリサイクルが難しい。新品の炭素繊維の製造時CO2排出量は鉄鋼の10倍だと言われ攻撃されていますが、アルミニウムも新品をボーキサイトから生成する場合は莫大な電力が必要です。(昔はそれを問題にしていました)

アルミはリサイクルが何度でもできる。を売りにしていますが、実際のモノづくりの現場、特に航空機に使われるジュラルミンをはじめとする高強度アルミニウム合金は、銅やマグネシウムなどの混ぜ物が多く、リサイクルされません。少なくとも、ジュラルミンを溶解してもジュラルミンには戻りません。

では、CFRPがリサイクルできる材料であれば、どうでしょう?新品の炭素繊維と同等の引張強度、弾性率を発現するCO2排出量が鉄鋼と同等の炭素繊維が供給されるとどうなるでしょうか?CFRPのリサイクルは、電炉に廃材を投げ込むだけではできません。確かに難しい、高度な技術が必要ですが、すでにその技術は確立されています。

 

なんといっても、CFRP/CFRTPの強みは、その比重・比強度です。同じ体積で、同等の強度を有する場合、CFRPジュラルミンよりも40%の軽量です。同じ重量であれば、160%の体積を持つことができます。

 

日本では、鉄道は、読んで字の如く、まさしく鉄で作られています。しかし、合理的な欧米ではCFRP車両の開発がどんどん進んでいます。中国では、長距離を走る高速鉄道CFRP化されています。「中国の新幹線は日本の技術のパクリだろ、取るに足らない技術力だ」とバカにしたい人も居るでしょう。でも、残念ながら、車両の軽量化研究は、日本の比ではありません。すでに、大きな差を開けれています。

時代は、変遷していくんです。我々も怠りなく、研究開発を進めてまいりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炭素繊維の超ショーテージの時代は終わりました。

この業界に居ても、炭素繊維の供給について気になっている人、そうでない人も居ると思いますが、COVID19パンデミックの期間と、ほぼ同じ期間、実際にはその少し前から炭素繊維は超ショーテージ(とても市場流通供給量が少ない)時代でした。

その背景には、中国の環境施策で大型風力発電のブレードに炭素繊維が大量に消費されていました。COVID19で航空機の需要が、大きく落ち込みましたが、風力発電への需要は加速されていたので、炭素繊維メーカーは世界的にフル稼働でした。12か月以上のバックオーダーがある会社もありました。「今年中の生産計画の炭素繊維はすべて完売しました。来年以降の納品であれば受注できます」と言われたことがあります。

中国政府の意向を受けて、中国の国内炭素繊維メーカーは、新工場を建設したり、増産できるように設備を増強しましたが、それらはすぐに立ち上がるわけではなかったので、世界中の炭素繊維が買われていましたが、それらの国内品の増産の目途がたち、需要に追いついた状態です。日本銘柄への影響は不明ですが、風力ブレード向けのラージトウを生産している欧米の銘柄は、まとまった量であればかなり思い切った金額が出始めているそうです。

 

不安定な国際情勢も含め、確かな情報を集めに、4月24日~4月28日まで、パリのJEC WORLDに今年も行ってきまーす(笑)

 

 

 

 

JEC Composite Talks @ TOKYO

2022年12月8日 JEC GroupはJEC Koreaの開催に併せて、日本で「JEC Composites Talks@TOKYO」というトークイベントを開催しました。

フランス見本市協会の持っているリストに、私が付き合いのある方々を追加し、取引は無くてもSAMPE Japanでのつながりのある方々を招待することにしました。トークイベントは大成功でした。

今回のトークイベントは、JEC Groupの日本市場へのアプローチのひとつです。次はどのような展開になるのか楽しみです。

 

時代の変化

COVID19で、海外への渡航が制限され、約3年の月日がたちました。JCM日本複合材マーケットは5月にJEC WORLD 2022展示会に出展しましたが、ヨーロッパのトレンドを察知するのが精いっぱいで、現地で中国、台湾、韓国の情報を得ることは出来ませんでした。

当時、韓国と日本は同じような状況で、外国人の入国は隔離制限がありました。また、台湾はCOVID19蔓延初期の段階で、早々に鎖国政策がとられ人々はワクチン接種なくても安心、安全と政府の対応の速さを賞賛されていましたが、そのせいで逆にウィズコロナ対策が遅れ、台湾の人々は渡航もできず(JEC WORLDで知人には誰も会いませんでした)、逆に外国からの訪問の受け入れがつい最近まで制限されていました。

そのような中、規制が緩和された9月に韓国、11月に台湾に赴き、旧知の友人たちと情報交換をしてきました。

 

この3年間で、大きく変わったCFRPの需要は、航空機の生産がストップし、そのCFは風力発電ブレードにシフトすることで、CFメーカーは今もフル稼働の状態であること。ロシアのウクライナ侵攻をうけ、より環境保護の意識が高まり、CO2排出量制限が加速していること。それに伴い、CFRPリサイクル、高強度エンジニアリングプラスチックス系のCFRTPの需要は、環境負荷が少ないバイオマス系材料由来へとシフトしているのは間違いないです。かつて炭素繊維メーカーが提示していたLCAシステムでは、川下側が許さず、これまでCFRPを使っていた商品も「リサイクルのアイデアがないなら採用をやめる」という流れが出てきています。実際のところ、日本ではCFRP量産は、トライアル程度しか行われておらず、さあこれからという感じですので、環境対策についても「なるほど、それなら石油由来から植物由来の樹脂にすればいいのね」で済みますが、まともにスポーツ用品、レジャー用品を大量生産している台湾では死活問題となります。

JCM日本複合材マーケットは、台湾で多くのCFRP量産技術を学んできました。今度は、この3年間、日本で蓄えた環境技術、CFRTPサーキュレーションのシステム、コンポジット・デザイニングを彼らにお知らせするのが仕事だなと、自覚しました。

先端材料技術展2022に出展します。

昨年に続き、SAMPE JAPAN 先端材料技術展2022に出展します。

今年は、S-25「Automation of Composite Technology」にグループで出展いたします。 

前回のSAMPE展示会には、Composite United正式加盟の告知、CFRTP(三菱エンプラ・Reny)テープ・プリフォーム+(三菱エンプラReny)大型射出成形品の展示、世界で最も量産実績のあるモーターサイクル用CFRPホイールを展示していました。ブースサイズにしては、盛りだくさん過ぎ、しかも当日は、急な会議でブースに居ないこともあったので、少し消化不良だったように思います。

今回は、KADO様、へレウス様、三起精工様と隣接する一角を「JCM日本複合材マーケットに」とお声かけいただいての参加ですので、材料屋に徹しようかと…。具体的には「CFRP、CFRTPで量産するなら、このような材料を使うんですよ」とお見せできればと思います。

ATP成形用のCFRTP/UDテープ各種、各サイズ。ランダム配向CFRTPシート、RTMの成形用材料そのプロセス。熱プレス成形用のプリプレグ、ノンスチレン・ビニエスのSMC、エポキシ樹脂のSMCなどの取り扱いがあることを告知したいと考えています。

あとは、CO2排出量がバージン材の1/10のFINE rCFの3Kドライファブリックと、その成形品ぐらいは、お見せしたいですね。今回の展示会のKeyNote講演をエアバスCTCの方が行われるので、話題がホット過ぎてお見せできない場合もあると思いますが、その場合はご理解願います。