炭素繊維の超ショーテージの時代は終わりました。

この業界に居ても、炭素繊維の供給について気になっている人、そうでない人も居ると思いますが、COVID19パンデミックの期間と、ほぼ同じ期間、実際にはその少し前から炭素繊維は超ショーテージ(とても市場流通供給量が少ない)時代でした。

その背景には、中国の環境施策で大型風力発電のブレードに炭素繊維が大量に消費されていました。COVID19で航空機の需要が、大きく落ち込みましたが、風力発電への需要は加速されていたので、炭素繊維メーカーは世界的にフル稼働でした。12か月以上のバックオーダーがある会社もありました。「今年中の生産計画の炭素繊維はすべて完売しました。来年以降の納品であれば受注できます」と言われたことがあります。

中国政府の意向を受けて、中国の国内炭素繊維メーカーは、新工場を建設したり、増産できるように設備を増強しましたが、それらはすぐに立ち上がるわけではなかったので、世界中の炭素繊維が買われていましたが、それらの国内品の増産の目途がたち、需要に追いついた状態です。日本銘柄への影響は不明ですが、風力ブレード向けのラージトウを生産している欧米の銘柄は、まとまった量であればかなり思い切った金額が出始めているそうです。

 

不安定な国際情勢も含め、確かな情報を集めに、4月24日~4月28日まで、パリのJEC WORLDに今年も行ってきまーす(笑)